inorino310のブログ

好きを繋げていく

私が日本語教師になってからの話

最近、色んなところで耳にする日本語教育の話。


私が大学に通っていた頃は「日本語を専門にしてる」と言うと、国語の先生?文学部?なんて言われることがほとんどで、まぁ説明しても「はーん」ぐらいにしか理解してもらえないちょーーーーーーーー異質な専門だったんです。

それどころか、日本語が話せるなら誰でもなれるっていう、まぁ正解なんだけどなんかちょっと日本語の先生からしたら悲しい話の方が先行してました。



実際には国家資格はありませんが、日本語教師は専門課程を修了していないと、ほぼ100%なれない仕事です。

国語の先生ではありません。教員免許も必要ないですし、古典も漢文も教えません。教えるのは「日本語」です。

なり方は色々あります。
それはGoogle先生に聞けばすぐわかるので割愛しますが、簡単に言えば、以下の4つのどれかが必要です。

4年制大学日本語教育を主専攻・副専攻する
②大学院で日本語、日本語教育を研究する
文科省認定の養成講座で420時間学ぶ
日本語教育能力検定試験(年1回)に合格する


実際には④に合格していても教授経験(実習含む)がなければ採用してもらえない学校が多いです。また、採用条件も教育機関によって違いますが、もちろん大学・大学院と進むごとに、働ける場所は増えていきます。


私は①と②の資格を持っているので、今のところ大学教授以外は大抵の学校に応募できます。







で、日本語教師って何してるの?って話ですが、やっぱりそれは「日本語を教えています」。ワー!そんなん知ってますよね。



まあ名前の通りなんですが、日本語教師になると言っても、国・機関・学校によって働き方は様々だと思います。

なので、どう働きたいかでいろんな選択肢があるちょっと変わったお仕事です。

今回は私が日本語教師になってからのお話です。





まず私が今まで働いたことがある機関は以下の3つ。
①海外の中等教育機関(小中高全部働きました)
②海外の高等教育機関(大学の先生です)
③国内の日本語学校(非常勤)

私は、私が働いとことがある場所の話しかできないし、私の話が全てだと思わないでくださいね。当たり前ですけど。

何回も言いますが、本当に働く場所によって様々なんです。




まず①中等教育機関では、第3外国語として日本語を教えていました。

日本語の文法、ことば、漢字、会話、聴解、作文、読解、文化などなど教えることはたくさんあるし、思春期の子供たちの生活指導も大人より大変だったし、それ以外にも義務教育課程だったので普通に運動会や文化祭などの学校行事にも参加しなければならず、超多忙でした。

行事ごとに「日本人も何かやってくださ〜い」って言われて、歌ったり踊ったり浴衣着付けしたり展示物作ったりしましたし、お茶たてろとかよさこい踊れとか無茶振りも多かったです。

「こんなん本物とちがう〜!ごめん〜!!」と言いながらやってました。


私は50分授業を週18回ぐらいしていたんですが、1つの授業を準備するのに最低授業時間の倍はかかるので、1日4つ授業がある日は、前日ほとんど寝られなかったですね。土日もずっと仕事していました。



まぁ寝られないのは私の要領が悪かっただけなんですが、授業以外は生徒指導したり、スピーチコンテストの指導したり、色々な会議に出席したり、お客さんの対応をしていたので、勤務時間内には授業準備する時間が全くなかったんですよね。

私の学校はその国の中でも格段に忙しい学校で有名だったので、他はどうなのか知りませんが。


基本的に中等教育機関は体力仕事だと思います。


でも、子供はかわいいし、教える日本語も大抵が初級だし、違う国の義務教育を近くで見ることが出来たのは良い経験でした。

とにかく子供がめちゃくちゃかわいい。思春期の子供に椅子投げられたり、小学生に腕を噛まれたりしたこともあるけど(笑)子供が好きなら絶対に楽しいです。



ひとつの説明が長いですね。すみません次から手短に。





②の大学では、大学の講義をします。と言っても私は少人数クラス(20名以下)しか担当してないですし、他の大学と少し違うかもしれません。もっと大人数相手に講義形式でやってる所のほうが断然多いです。

私の大学では3年生の後期と4年生の前期で日本語で論文を書かなきゃいけないということで、初級・中級・上級すべて教えられないと働くのは難しいです。

アカデミックジャパニーズというやつは日本人でも難しいですからね。私も苦手です。

大学は基本的に生徒が自主的にやってくれるので、あんまり怒ることはないですし、週に5〜6回しか授業がないです。

でも1回90分授業だし、やることも教科書も全部自分で決めるので、準備はかな〜り大変です。

体力仕事というより、頭をめちゃくちゃ使う感じですね。もちろん体力もいりますが。

最近は大学院を修了していないと、働けない大学も結構多いですね。日本では大学の非常勤講師になるには修士以上が基本です。





③の日本語学校では非常勤なので、授業の30分前に学校へ行って、授業やって、添削やって、帰るって感じでした。

授業内容や教材は学校で決められていたので、それを時間内にきっちり終わらせるのが仕事です。

生徒は日本で大学や専門学校進学、就職を目指す人達、またいろんな理由で日本語を学んでいる人達でした。クラスも多国籍で、いろんな文化を知れて面白かったです。

同僚の先生たちは基本的に③養成講座出身の方が多かったです。国内ということで、教師経験が長くてベテランの先生も多く、いろんなお話が聞けたので、ほんとうに勉強になりました。

ただ、非常勤の先生は授業時間にしか時給が付かないことが多く、授業準備をいくら頑張ってやっても無給の、お金の面ではめちゃくちゃ厳しいポジションですね。

私の学校は午前クラス、午後クラス、夜間クラスがあって、1回3時間半の授業だったので、授業準備は結構大変です。あと3時間半授業するとプールの後みたいになる。



色々働いてみてわかったことは、ほんとに働き方、内容は国・機関・学校・ポジションによって色々で、月単位で仕事内容が変わります。


自分がどんな働き方をしたいかによって、働く場所を選べるのが日本語教師のいいところですよね。

しかも、今や日本語教師は引く手あまたです。

私が日本語教師を目指していた当時は、仕事もないし、社会的地位も微妙だし(今でもそう)、収入も不安定でした(今でもそう)。

大学卒業してから、色んな学校に申し込んだけど、もう本当に落ちに落ちまくって(というか連絡すら返ってこなくて)、数ヶ月フリーターをしていました。

今では日本国内ならボランティアや地域日本語、予備教育、義務教育での取り出し授業など、私が経験した仕事以外にもたくさん働く機会がありますし、海外でも技能実習や介護実習の送り出し機関、ランゲージセンターや塾、幼稚園などでも働けます。

ある程度経験がある人はプライベートレッスンやテレビ電話でも授業をやっていますね。

教える対象も「外国人」では一括りにはできない時代ですので、色んなところに日本語教師の需要はあります。




私は自分のライフプランに合わせた仕事場選びをしたかったので、日本語教師になってから、大学院に入り直しました。

日中は仕事、夕方からは大学院、夜中に翌日の授業準備をしていたので、1年でめちゃくちゃ老けました。ちゃんと寝た記憶が無い。いつか仕事と院の両立の話もしたいです。

今でも海外の大学で働いていますが、海外生活についても需要があればそのうち。



私の悪い癖でだらだら長く書きました。
私が日本語教師の全てではないですが、いろんなパターンの1つとしてお話しました。日本語教師について、興味を持ってもらえたら嬉しいです。